工夫することで初期費用をできるだけ抑えることが可能
美容師さんにとっては独立は大きなステップで多くの人が憧れると思います。自宅の一部を自分のサロンにできれば、「お店を借りる費用」「時間の効率化」などたくさんのメリットがあると思います。工夫することで初期費用をできるだけ安く抑えることができると思いますので、その辺りをご紹介していきます。今回は、店舗併用住宅の掘り下げとして、「自宅を美容院(サロン)にする時の注意点」を解説していきます。
美容室開業に必要な床面積を把握する
作業所と待合所とを区分して設けること。
作業所の床面積は、理容椅子・美容椅子2台までは13平方メートル以上とし、理容所にあっては理容椅子1台を増すごとに4平方メートル以上、美容所にあっては美容椅子1台を増すごとに3平方メートル以上増すこと。
作業所と待合所とを区分して設けること。
待合所の床面積は、作業所の床面積の8分の1以上とすること。
https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000011317.html
名古屋市HPより(営業施設の基準について)
上記以外にも色々基準はありますが、気をつけるべきポイントはやはり、お店の広さです。
新築の場合は尚更予め必要床面積の把握は絶対的に必要になります。
作業所の必要面積は最低13平方メートル=3.93坪=7.86帖ということになります。
それ以外にも待合室を8分の1以上設ける必要がありますので、
7.86帖÷8=0.98帖(約1帖として)待合室を合わせると合計で8.9帖という広さが必要になります。
新築の場合は住宅ローンの活用を検討する
店舗併用住宅として、新築した場合は原則住宅部分のみ住宅ローンを活用できます。
住宅ローンは、住宅取得を目的に金融機関が作った商品ですので、
原則的には事業用として使う建物であれば住宅ローンではお金を借りることは出来ません。
住宅ローンと事業用ローンとの大きな違いは、
金利の低さと返済年数の長さです。
住宅ローンの金利は、現在の変動金利で約0.5%前後なので
事業用ローンと比べると圧倒的に金利が低いです。
(事業用ローンは一般的に1%〜2%くらいの金利)
また、返済年数も長い商品では35年など長いのも特徴的です。
比較すると、金利や返済期間の長さから見て、出来るだけ住宅ローンでお金を調達できるといいなと思ってしまいます。
ただ、気をつけるべきは住宅ローンでお店の内装費等の分までお金を借りてしまうと問題になるリスクがあることも把握しておきましょう。※原則住宅ローンは住宅部分のみ
現実的には、銀行融資用にお店部分の内装費も含めた見積書を作成し、
住宅ローンの融資申請を出した後に、店舗と住宅を分けた見積書を再度作成するということが多いです。※グレーゾーンですね。。。
住宅ローンを組む際に、一般的には保証会社にお金を払って保証人になってもらうことが一般的になっています。
保証会社の契約書に「事業用では使わない」という文言があった場合、
後から事業用として住宅ローンを使っていることが発覚すると一括返済を求められる可能性もあります。(過去にそういったグレーゾーンで問題になったことはありませんが、そういったリスクがあるということで判断はご自身の自己責任になることを把握しておきましょう。)
初期費用を抑える工夫(内装費編)
美容師を専門とする税理士さんに聞いた話で、開業費の大半が店舗の内装費だそうです。
平均300万円以上はかかると言っておられました。
確かに内装費に限らず建築はこだわるとどうしても費用がかかってしまいます。
ですが、工夫して初期費用をできる限り抑えることはできると思います。
過去の実績からも約30平方メートルの店舗から約100万円くらいで内装工事をやったことがあります。
もちろん、オーナーさんの努力もありますが自分でできることを家族や友人に手伝ってもらいながらお店を完成させていきました。(私も微力ながらお手伝いしました。)
その中でおすすめできる内装材をせっかくなので紹介していきます。
内装日100万円のざっくりとした内訳はこちらです。
・解体費約40万円
・照明設備約15万円
・内装壁 珪藻土材料費約10万円「うま〜くヌレール」
→施工が素人にも可能(下地調整や下塗りが不要)
→ホームセンターなどでも購入可能
→圧倒的コストパフォーマン
→調湿効果がある
・内装床 フロアタイル約30万円「サンゲツのフロアタイル」
→耐久性がクッションフロアに比べて高い
→素人でも施工が簡単(カッターで切って接着剤で貼っていくだけ)
※下地の状況によっては難しい場合もあります。
→デザインが豊富で他店と差別が容易
・その他約5万円
なぜこの内装費でできたのかまとめると
自分でできる工事はオーナー自身でやったからです。
内装(壁・床)工事は時間はかかりますが、仕上げ材によっては簡単に自分でもできてしまいます。
壁の珪藻土塗りと床のフロアタイル張りは素人でも楽しみながらできるのでおすすめです。
いつか実例写真の掲載も考えています。
その他開業した後に気をつけること
開業してからも抜き打ち検査があるなど開業した後に気をつけることは下記になります。
・保健所の抜き打ち検査は年に1回が目安ある
→美容師の名前の掲示を求められる場合がある
→消毒設備が適切な場所に配置されているか確認される場合がある
・テナントの場合は消防の検査が2年に一回ある
→火災設備(誘導等・非常灯・火災報知器、防火扉など)指導される場合がある
まとめ
美容院は開業するまでが色々と大変ですね。
できるだけ事業を安定させる為にも、初期費用を抑える工夫ができると良いですね。
上記以外にも有意義な情報があれば都度更新していく予定です。
美容師さんの開業を応援しています。
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